当院における「がん診療に対する取り組み」
当院は平成18年8月24日、厚生労働大臣から“地域がん診療連携拠点病院”の指定を受けました。
当院では、各学会の定める「科学的知見に基づく医療(※標準治療)」を行い、がんの手術・抗がん剤治療・放射線治療などを組み合わせ、緩和医療、複数診療科間の診療支援、地域の医療機関等との密接な連携を図りながら、質の高いがん診療を提供しています。
診療体制
- 【診療機能について】
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- 当院では各がん診療において,各学会の定める「科学的知見に基づく医療」を基本とし,集学的治療(手術・抗がん剤治療・放射線治療等の組み合わせや緩和医療を含む複数診療科間の相互診療支援等)及び各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療並びに応用治療を行っています。またクリティカルパス(検査,治療などを含めた詳細な診療計画表)を整備し,効率的かつ効果的ながん治療を行っています。また化学療法については,抗がん剤の過剰投与を防ぐなど,電子カルテシステムにより高い安全性が確保されています。
- セカンドオピニオン(診断や治療方法について,主治医以外の第三者の医師が提示する医療上の意見)を行う機能を持ち,また「国立がんセンター中央病院」等との連携を行っています。
- 緩和ケアチーム(医師,看護師,薬剤管理・栄養指導に携わる者を含めたチーム)による緩和医療の提供を行っています。また地域かかりつけ医との共同診療,診療支援等を行い,退院後も緩和医療の提供等の支援を積極的に行っています。また、”緩和ケア外来”を開設しており、症状緩和が必要ながん患者に対して、在宅療養を支援するために、外来診療による緩和ケアを提供します。
- 済生館 緩和ケアチームのページ
- 地域の医療機関からの紹介患者の受け入れ及び患者の状態に適した地域医療機関への逆紹介を行い,また院内外の医師が相互に症例相談・診断依頼等(病理診断,画像診断,抗がん剤や手術適応等に関する相談)を行っています。
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- 国立がんセンター院内がん登録実務者初級取得者4名、中級取得者1名が常勤しており、院内がん登録を行っています。
- 【診療従事者について】
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- 「日本がん治療認定医機構」がん治療認定医、ならびに「日本病理学会」専門医である病理診断医が常勤し、迅速かつ的確ながん診断を行っています。更に「日本医学放射線学会」の専門医(放射線診断・治療に関する専門的知識を有する医師)、「日本放射線腫瘍学会」の認定医がそれぞれ常勤し、的確な放射線診断,最先端の放射線治療を行っています。
- がん化学療法に関する研修会を修了し、多くの経験と専門知識を有する薬剤師が常勤、また、臨床検査部門においては、国際細胞学会細胞検査士国際ライセンス取得者4名、日本臨床細胞学会細胞検査士5名、日本超音波医学会超音波検査士(甲状腺、乳腺など)1名、日本検査血液学会認定血液検査技師3名が常勤しています。更にがん診療に関する研修会を受講した専任の放射線治療診療放射線技師、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師5名が配置されています。
- 「日本看護協会」認定看護師が11名(緩和ケア、皮膚・排泄ケア、感染管理、がん化学療法看護、救急看護、糖尿病看護、脳卒中リハビリテーション看護、認知症看護)が常勤しています。緩和ケア認定看護師は「緩和ケアチーム」の中心的役割を担い、がん化学療法看護認定看護師は「外来化学療法室」に配置され、それぞれ専門的な立場から質の高い、適切な看護を提供しています。
「標準治療」とは?
この言葉は英語の "standard of care" を日本語訳したものです。
一般的な"標準" の意味は、「比較の基準、あるべきかたち、手本、一番普通のあり方」などですが、ここでいう“標準治療”とは「現存する治療で最も効果的と証明された、科学的知見に基づいた治療法」という意味です。