- 文字サイズ
-
- 標準
- 拡大
- 背景色
-
- 白
- 黒
- 青
東北6県は全国的に脳卒中患者が多い地域で、その中でも山形県は脳卒中の発症率が非常に高くなっています。ご存知のように脳卒中は命にかかわるだけでなく、重篤な後遺症が残ることが多くあります。
当院は脳卒中の患者数、手術数とも山形県で一番多く(山形県対脳卒中治療研究会 症例登録より)、これまでも専門の医療スタッフが最新機器を用いて積極的に治療に取り組んでまいりました。
2011年7月、脳卒中診療の更なる機能強化のため院内に「脳卒中センター」を開設し、「脳神経外科」「脳・血管放射線科」「リハビリテーション科」を統合し、脳卒中の急性期診断、治療、急性期リハビリテーションから脳卒中予防まで、包括的に取り組んでいます。また、頭部外傷の診療も行っており、日本脳神経外傷学会 認定研修施設となっています。
2019年9月より日本脳卒中学会から、24時間365日(24H/7D)脳卒中患者を受け入れ、患者搬入後に速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる施設として「一次脳卒中センター (PSC: Primary Stroke Center)」の認定を受けています。さらに当院は、2021年5月に「PSCコア施設(地域においてコアとなるPSC施設)」として同学会より委嘱、更に2022年10月に認定を受けています。
超急性期脳卒中の治療法としては「機械的血栓回収療法」が有効とされており、同学会は、この治療法が常時実施可能で、地域の脳卒中治療の中核を担う施設を「PSCコア施設」として認定しています。今後も「PSCコア施設」として、地域の医療機関と連携して活動を行っていきます。
2021年2月、人工知能(AI)技術を搭載した最新型CT装置「SOMATOM X.cite」を導入しています。AI技術による「良質な画像による血栓回収療法の正確な適応判定」や「短時間での脳血流画像撮影及び自動解析」だけでなく、「造影剤低減」や「低被ばく撮影」など、患者さんの負担が少ない検査を実施しています。
当院では、一次脳卒中センターコア施設としての機能強化のため、2022年より次世代型の脳血管内治療システムを導入しました。脳血管撮影の画像分解能を飛躍的に向上させ、 微細で複雑な構造の把握が可能となり、従来治療困難であった症例においてもより安全な血管内治療を可能とします。
【室長】 近藤 礼
令和5年 入院診療実績
病 名 | 患者数 |
脳梗塞(発症7日以内) | 546人 |
脳出血22(発症7日以内) | 119人 |
くも膜下出血(発症7日以内) | 41人 |
一過性脳虚血発作(発症7日以内) | 43人 |
無症候性脳血管病変 | 41人 |
未破裂脳動脈瘤 | 44人 |
脳神経外科 手術等件数
手術等 | 令和4年 | 令和5年 |
---|---|---|
脳動脈瘤頚部手術 | 38件 | 36件 |
脳内血腫除去 | 30件 | 24件 |
頚部頚動脈内膜摘出術 | 16件 | 13件 |
頭蓋内外血管吻合 | 11件 | 19件 |
脳動脈奇形摘出術 | 2件 | 3件 |
脳血管内手術 | 141件 | 115件 |
外傷性頭蓋内血腫除去(硬膜外、下) | 19件 | 5件 |
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 87件 | 78件 |
超急性期血栓溶解療法(rt-PA) | 61件 | 63件 |