健康一口アドバイス
白内障と緑内障について(2)
第二診療部長(兼)眼科長 大村 眞
目の中では、房水という液が作られ目の外の血管に流れていきます。この房水によって目の固さが保たれています(この固さを眼圧といいます)。眼圧が急に上がって目が固くなったり、眼圧は高くないのに視神経(目と脳を結ぶ神経)に異常をきたすのが、緑内障です。
緑内障は、大きく分けて「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」があります。これは、房水の流れ出て行く隅角という場所が広いか狭いかによる分け方です。狭いと、緑内障発作といって急に眼圧が上がり、眼痛がひどく見えなくなります。頭痛や吐き気を伴い、放置すると失明します。風邪と間違うと大変です。眼科での緊急疾患のひとつです。ただ、前もってわかることもあり、その場合はレーザーで予防処置をします。こわいのは、開放隅角の方です。痛みもなくじわじわと進むので気づいた時はかなり悪くなってからということもしばしばです。特に最近の調査で、正常眼圧緑内障といって眼圧が高くないのに視野(物の見える範囲)が狭くなっている人が非常に多いことがわかりました。この疾患も早めにみつけて治療をすれば進行を抑えられますが、悪化してからでは治療も大変困難になります。治療法は、点眼薬・レーザー・手術があり、緑内障の進行程度や眼圧などにより最もよい方法を選びます。
白内障も緑内障も、いわゆる成人病なのでほとんど40才以降に発症します。単に、目が疲れるとか老眼だとか判断せず、一度眼科を受診することをお勧めします。
2005年2月10日
http://www.saiseikan.jp/outline/section/ophthalmology.php
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