健康一口アドバイス
慢性腎臓病(CKD)について その2
腎臓内科長 出川 紀行
慢性腎臓病治療の目的は、1.透析が必要になる末期腎不全への進行を防ぐ、または、遅らせること、2.そして、心臓・血管病 (心不全、心筋梗塞、脳卒中等)の発症を防ぐことです。
慢性腎臓病の予防、進行防止には、生活習慣の改善が重要です。ご自身ができることは、肥満の是正や減塩(厳しい基準では、ありますが、一日あたり3g~6gとなっています。)規則正しい食事、禁煙を心掛けます。また、腎機能が低下した場合には蛋白質の制限された食事、カリウムの多く含まれる食品(生野菜、果物等)制限を行います。医療機関では、血圧コントロールが重要で、おおよそ血圧目標130/80以下と定められ(血圧は、いろいろな状況で、変動しますので、家庭血圧計での朝、晩の測定をお勧めします。)、使用する薬もガイドラインに定められています。また、腎臓病では、貧血(血液を造るホルモンの低下)になるため、造血剤による貧血の改善が、必要です。
さらに、糖尿病、高脂血症、痛風などの生活習慣病がある人は、慢性腎臓病の悪化を引き起こすので、これらの治療も同時にしておく必要があります。
慢性腎臓病の治療も多岐に亘りますが、中断せず、継続していくことが、大切です。
2013年4月26日
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