健康一口アドバイス
結腸がん・直腸がんの手術
外科 医長 二瓶義博
結腸がん・直腸がんの早期がんの一部では、内視鏡による切除が可能となる場合もあります。しかし、内視鏡では切除が困難な場合やリンパ節を切除する必要がある場合には手術が必要となります。
手術では、再発や転移のリスクを少なくするため、がんの病変部だけでなく正常な腸も含めて大きく切り取り、リンパ節を切除する必要があります。結腸がんのように長さに余裕がある場合は問題ないのですが、直腸がんの手術では人工肛門となることがあります。また、直腸がんの手術では、直腸周囲に存在する自律神経の損傷により、排尿機能や性機能が損なわれる可能性がありました。しかし、最近では手術技術の進歩、精密な解剖の理解により、がんの進行度や局在(肛門からの距離)によっては、可能な限り、肛門と自律神経を残す手術も行われるようになっております。
手術術式に関しては、従来の大きな創で行う「開腹手術」以外にも、お腹に小さな傷を数ヶ所つくり、そこから腹腔鏡というカメラや器具を、お腹の中に差し入れて行う低侵襲な「腹腔鏡手術」も行われるようになっております。
治療に関しては、がんを治すことを最優先に主治医の先生と相談の上、決定されることになります。
2013年8月29日
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