健康一口アドバイス
ノロウィルス感染症について
小児科 主任医長 前田 勝子
ノロウィルスに感染すると、吐き気や嘔吐、下痢などの症状がみられます。嘔吐は激しく、特に体力の弱い乳幼児や高齢者は脱水になりやすく、重症となることがあります。感染経路は、手指や食品などを介して、経口で感染し、腸の中でウィルスが増殖して症状を引き起こします。さらに吐物や便に大量のウィルスが排泄され、これが感染源となります。
このウィルスに効果のある薬はありません。このため、対症療法と予防が重要です。水分と栄養の補給を十分に行い、脱水症状がひどい場合は、病院での治療が必要になります。
予防には、①加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱する、②まな板、包丁、食器を清潔に保つ、③食品の調理の際には、手洗いを必ず行うことが重要です。手洗いは、調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、下痢をしている人のオムツ交換や汚物の処理をしたときは、必ず行いましょう。石けんを十分泡立てて、手指を洗浄します。すすぎは温水による流水でしっかり行い、清潔なタオルまたはペーパータオルで拭きます。調理台や調理器具の殺菌には、次亜塩素酸ナトリウムや加熱が有効です。
例年秋から冬に流行しますので、予防を心掛けましょう。
2013年9月19日
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