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小児科長 清水行敏
インフルエンザは、突然の高熱で発症し、普通のかぜに比べて全身症状が強いのが特徴です。感染から発症までの潜伏期が1-3日と短く、感染力が強いために流行が始まると、短期間に小児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込むという点でも普通のかぜとは異なります。小児では気管支炎、中耳炎、熱性けいれんなどを併発することがあり、高齢者では死亡率が高まります。12月になると患者さんが出始めて、1月に流行のピークを迎えます。予防の基本は、予防接種です。65歳以上の高齢者では公費負担で接種できますが、小児では自費となり、13歳未満は2回の接種が必要です。喘息などの持病のある人、受験など大事な予定が控えている人は接種をお勧めします。年少の児も重症化しやすいので、保育園や幼稚園での集団生活をしている場合は行ったほうがよいです。流行前に接種を済ませておくことが大事なので、12月には接種を完了してください。また、流行期には人ごみを避ける、手洗いとうがい、マスクの着用、加湿器などで室内の湿度を保つ、という心がけも大切です。インフルエンザを100%防ぐ方法はありませんが、予防接種と日常生活の注意で冬を乗り切りましょう。