健康一口アドバイス
糖尿病の治療目標
糖尿病・内分泌内科長(兼)地域糖尿病センター室長 五十嵐 雅彦
糖尿病は、早期診断と適正な治療が行われない場合にはさまざまな合併症を引き起こすことが知られています。合併症は、糖尿病特有の「細小血管障害(網膜症、腎症、神経障害)」と、心臓や脳、足などの動脈硬化症の2つに大別されますが、特に前者の細小血管障害の発症を予防するためには血糖コントロールが極めて重要となります。では、合併症の発症を予防し悪化させないためには血糖コントロールをどのくらいに保てれば良いのでしょうか?
糖尿病の診断と血糖コントロールの指標として、現在ではHbA1c(ヘモグロビン•エーワンシー)が幅広く使われています。HbA1cは、過去1〜2ヶ月の平均的な血糖値を反映するもので、血糖のように食事の時間による影響が少なく、採血により簡単に測定することができます。そこで、日本糖尿病学会では、平成25年に糖尿病特有の合併症である「網膜症や腎症、神経障害」の発症を予防するための血糖コントロールの目標値として、HbA1cを7%未満にするように提言を出しました。なお、このHbA1c 7%未満というのは、血糖値では空腹時では130 mg/dl未満、食後2時間では180 mg/dlに相当します。
もし、御自分の血糖コントロールが気になるようでしたら、医療機関を受診してHbA1cを測定してみて下さい。
2014年4月1日
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