健康一口アドバイス
乳癌について
第二診療部長(兼)外科長 守本和弘
乳癌は日本女性のかかりやすい癌の第一位となっており、患者数は年々増加しています。
乳癌の典型的な症状は乳房にしこりを触れることです。実際に乳癌の患者さんの多くは自分でしこりを自覚して受診されます。月に一回は自分の乳房を触れることがすすめられる所以でもありますが、ある程度の大きさにならないと自分では分からないので、早期発見のためには乳房のX線検査であるマンモグラフィが手助けとなります。しこりになっていない乳癌や、前回の検査との比較で診断できることもあり、非常に重要な検査です。
しこりがあっても全てが乳癌というわけではありません。癌細胞の存在が確認されて初めて乳癌と診断されます。しこりの大きさや転移の有無で進行度が判定されますが、癌細胞の生物学的性質も治療方針の参考にします。
治療は乳癌診療ガイドラインに従い、手術、抗がん剤や分子標的薬、ホルモン療法、放射線治療を組み合わせて行います。
症状がなくても1~2年ごとのマンモグラフィ検診を受けることをおすすめします。しこりを触れたり、乳房の形や皮膚に変化があるときは、「乳腺外科」か「外科」のある病院や診療所を受診してください。
2014年7月29日
一覧に戻る