健康一口アドバイス
子宮がん(子宮頸がん)
産婦人科長 佐藤 文彦
主な子宮のがんには、子宮体がんと子宮頸がんがあります。子宮頸がんは、子宮の入り口(膣側)に出来るがんで、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染(主に性感染)により発症し、二〇代から三〇代の発症が増えています。進行した状態で発見されると妊娠を希望していても、子宮を残せなくなりますが、早期発見では子宮を残すことができます。
子宮頸がんを防ぐためには、HPVワクチンの接種を受けること、早期発見には子宮頸がん検診を受けることです。
HPVワクチンはHPVに感染してもがんになるのを防ぎます。ワクチン接種後に起こった持続する疼痛などの副反応が報告され、厚生労働省は「積極的な接種勧奨の差し控え」を通達しましたが、副反応の原因がワクチンそのものとは証明されていません。接種を希望すれば受けられ、補助もあります。
通常の子宮のがん検診は子宮頸がん検診です。二〇才になったら公費で2年毎に受けることができます。日本の検診受診率は欧米の国々に比べると低く、是非検診を受けてください。ワクチンを接種しても、検診は必要です。
2014年8月21日
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