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消化器内科長 黒木 実智雄
がんは、我が国の死亡原因の第一位であり、なかでも胃がん・大腸がんは死亡原因の上位を占めています。胃がん・大腸がんはともに早期の段階で発見できれば、完全に治すことができます。基本的な治療法は外科手術ですが、進行の程度によっては腹腔鏡を用いた負担の少ない手術が可能です。より早期に発見されると苦痛の少ない内視鏡治療でがんを完全に切除することも可能です。一方、がんがお腹のなかに拡がったり、転移してしまうと切除は困難で、多くの場合、薬物治療が選択されます。治療は日々進歩していますが、大事なのは予防と早期発見です。胃がんの多くはピロリ菌が原因となっています。ピロリ菌を退治することによって胃がんのリスクを下げることができます。また過剰な食塩の摂取も胃がんのリスクを高めることが知られています。大腸がんの予防には、高脂肪食を控え、適度な運動を続けることが重要です。胃がんの症状には、腹痛、嘔吐、吐血などが、大腸がんの症状には、血便や便秘、下痢、便が細い、お腹が張るなどがあります。このような症状がある場合、医療機関を受診することをお勧めしますが、早期の胃がん・大腸がんでは症状がないことが多く、定期的に検診を受けていただくことが大切です。