健康一口アドバイス
高血圧と減塩
循環器内科 佐々木 真太郎
高血圧は遺伝素因と環境因子(生活習慣)によって生じる疾患です。遺伝素因の高い人でも生活習慣を整えることで高血圧の発症や伸展を予防できます。生活習慣の修正項目としては減塩、減量、運動、節酒、禁煙などがあげられます。その中でも減塩は食塩摂取量の多い我が国では最も重要で、達成困難な生活習慣修正項目の一つになっています。
2014年に日本高血圧学会から発表されたガイドラインでは減塩目標は6g/日未満となっています。しかし6g/日の減塩は日本では非常に難しく、厚生労働省が発表した一般人を対象とした「日本人食事摂取基準(2015年版)」では男性8g/日未満、女性7g/日未満とやや高めに設定されています。現在の食塩の摂取のうちわけとして家庭用食塩は20%弱で、みそやしょうゆなどの調味料を含む加工食品が80%強を締めています。加工食品は利便性が高く、特に多忙な現代人にとっては必須ともいえる食品となっています。その中で減塩食品も多数販売されており、それらを利用するのも減塩の一つの方法です。
高血圧は自覚症状に乏しい疾病ですが、脳卒中・心筋梗塞などの心血管病の発症に関係しています。減塩をはじめとした食習慣の改善が健康維持には重要です。
一覧に戻る