健康一口アドバイス
さまざまな病気に対するリハビリテーション
リハビリテーション科長 齊藤 元太
これまでリハビリテーションの対象となっていたのは、多くは脳卒中や整形外科の患者さん達でしたが、最近では「疾患別リハビリ」といい、様々な疾患に対してリハビリの効果があるといわれています。
例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんに呼吸理学療法や運動療法を行うことで、呼吸困難や運動耐容能が改善し、ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)やQOL(Quality of Life:生活の質)が改善するといわれています。
心不全の患者さんは何度も心不全症状が出て入退院を繰り返すことがありますが、心臓リハビリを行うことで入院を減らし予後を改善するといわれています。また急性心筋梗塞や心・大血管術後の患者さんにも早期から心臓リハビリが行われます。
腎臓病患者さんは運動により腎機能が悪くなるのではないかといわれていましたが、長期的には運動療法の効果があるといわれ、透析患者さんにもリハビリが勧められています。
がん患者さんは病気の進行に伴い筋力・体力が落ちてきますが、リハビリによりADLやQOLが改善し、また何よりリハビリが精神的な支えになるという効果もあります。
このように様々な病気に対する疾患別リハビリは、薬物や手術と同様に治療の一つとして普及しつつあります。
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