健康一口アドバイス
脳卒中のリハビリテーションについて
リハビリテーション科長 齊藤 元太
脳卒中の患者さんのリハビリテーションでは、発症からの時期により、その目的は異なります。
発症早期の「急性期」では、なるべく早い時期からリハビリを開始します。まず、腕や脚を使わないことによる筋肉の衰え(廃用性筋萎縮)を予防するため、他動的に腕や脚を動かすことから始めます。次に、なるべく早くにベッドから起き上がることができるように、座ったり、立ったりする(早期離床)訓練を行います。
病状が落ち着き、リハビリが治療の中心になってきますと、「回復期」といい、機能回復訓練のほかに、退院後の生活の自立や復職を目標にリハビリが行われます。回復期リハビリは急性期病院から回復期病院へ転院して、集中的に時間をかけて行われます。
発症から半年以上経過すると「維持期」といい、機能回復はあまり期待できなくなります。この時期には機能や筋力の維持がリハビリの目的となります。最近では後遺症に対して「ニューロリハビリテーション」といわれる電気刺激やロボットスーツなどの新しいテクノロジーが実用化されつつあります。
このように現代の脳卒中診療では、機能回復のためにリハビリが不可欠なものになっています。
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