健康一口アドバイス
褥瘡の予防と褥瘡対策チーム
皮膚科長 角田孝彦
褥瘡(とこずれ)が一番できやすいのは仙骨部(おしりの真ん中)です。ねたきりの人が長い時間同じ姿勢でいると仙骨部の皮膚に何十キログラムという体重がかかるため皮膚がつぶされて、赤くなったりくずれたりします。ときには皮下脂肪や筋肉まで影響が及びます。褥瘡は一晩でできることもあります。
褥瘡の予防には栄養を十分にとる、寝たきり状態にしない、寝たきりになったら体の姿勢を2時間毎にかえる、体の同じ場所に長時間圧力がかからないようにする、皮膚を清潔にすることなどが大切です。
褥瘡はあまり関心のもたれない病気でしたが1998年に褥瘡学会が設立され、褥瘡の予防、ケア、治療が年々進歩しています。また現在各病院に褥瘡対策チームがあり、看護師、医師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士などが集まり、みんなで褥瘡をみて、それぞれの知恵を出して話し合い、ケアや治療に生かされています。
褥瘡の予防、ケア、治療には体圧を分散するベッド、クッションなども有効です。ベッドなどはレンタルするシステムもあります。往診や訪問看護によるケア、治療も行われています。
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