健康一口アドバイス
基本健診の生かし方(糖尿病について)
副館長 野村 隆
基本健康診査は、さまざまな生活習慣病の予防や早期発見・早期治療のために市民の皆さまにぜひ受けていただきたい健診です。健診結果をご自分の健康管理に生かすためには、検査項目の意義と異常の程度(重症度)を理解しておく必要があります。そこで今回は、糖尿病にかかわる検査について説明します。
健診では血糖とヘモグロビンA1C(HbA1C)の2つの検査がペアになっています。血糖は健康な方では空腹時に110mg/dlを超えることはありません。HbA1Cは過去1~2ヵ月間の血糖の平均値を反映する指標で血糖が常に高いとこの数値も高くなります。基本健診では5.5%までが正常範囲です。糖尿病の診断は血糖値で決まります。空腹時血糖が126mg/dl以上か随時血糖が200mg/dl以上あると糖尿型と言い、①同時に測定したHbA1Cが6.5%以上あるか、②別な日に再検査をしても糖尿病型か、③75gのブドウ糖水を服用した2時間後の血糖が200mg/dl以上あれば糖尿病と診断されることになります。血糖やHbA1C値が高いほど重症ですぐに医療機関での治療が必要となります。空腹時血糖が110~125mg/dlは境界型といい「糖尿病予備群」と称されます。境界型でも動脈硬化性疾患が起こりやすいことが知られています。病気は予防することがベストです。境界型の方は肥満の解消など生活習慣の改善によって糖尿病への移行を予防したり、正常型に復帰することもできます。境界型では3~6ヵ月に1回は血糖とHbA1C検査で経過をみる必要があります。
2005年4月11日
関連ページ
http://www.saiseikan.jp/outline/section/internal.php
一覧に戻る