健康一口アドバイス
かかりつけ薬剤師・薬局
薬局長 荒井浩一
超高齢社会に突入し、合併症をいくつも抱える高齢者が複数の診療科・医療機関を受診することで多くの薬を処方され、誤った飲み方や有害な薬物反応による健康被害が社会問題となっています。また、日本薬剤師会の調査によると、後期高齢者が飲み残した薬は年間475億円と推定され、その中で最も多い理由は飲み忘れとなっています。全医療費に占める薬剤費の割合が上昇する中、非常にもったいない話です。問題は処方された薬が適正に服薬されていないということです。
このような状況をふまえ、国は「患者のための薬局ビジョン」を策定し、かかりつけ薬剤師・薬局の基本機能について検討を開始しました。これは、かかりつけ薬剤師・薬局が、複数の医療機関の薬の情報を一括管理し、服薬指導の実施、残薬の整理、副作用の継続的な確認、多剤・重複投薬の防止、飲み合わせの確認等を行うこととするほか、24時間、薬の相談に応じ、かかりつけ医をはじめとする多くの機関と連携を図りながら健康をサポートしていくというものです。
制度は未確定ですが、地域の信頼できる薬局を見つけ、薬のことで不安な事があれば何でも薬剤師に相談してみてください。病院は、かかりつけ薬剤師・薬局と連携し、入院から外来まで安全で安心な薬物治療を患者さんに提供できるよう努めてまいります。
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