健康一口アドバイス
食物負荷試験について
小児科長 清水 行敏
食物アレルギーは特定の食品の摂取によって起きるアレルギー症状です。乳児期では鶏卵、牛乳、小麦が原因の多くを占めますが、成長するにつれて甲殻類やそば、果物なども発症原因となります。最近は食生活の変化でイクラやピーナッツのアレルギーも増えてきました。
治療の基本は「正しい診断」と「必要最低限の原因食物の除去」です。血液の抗体検査が陽性であっても症状が出るとは限りません。「乳児期にアトピーがあり、血液検査で鶏卵が陽性だったので今も食べさせていない」という方はいないでしょうか。また、乳児期に症状が出たとしても、成長とともに耐性ができることが多いので、幼児期には食べられるようになることもよくあります。心配のあまり、誤った判断で除去を続ければ、発達・発育に影響も出るかもしれませんし、何より食生活が豊かになりません。
そこで、「正しい診断」のためには「食物負荷試験」が重要になります。これは医師の立ち合いの下に少量から食物を食べて、アレルギー症状が出ないかどうかを確認する検査です。当科ではこれまでに200例以上の検査を行ってきました。お子さんに食べさせてよいか不安に思っている場合は、かかりつけ医の小児科医に、まずご相談ください。
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