健康一口アドバイス
小児の予防医療について
小児科長 清水 行敏
テレビなどではサプリメントや健康食品などの宣伝があふれており、予防医療への関心が高さが窺えます。「予防医療」とは、その名のとおり、病気を防ぐ医療行為・サービスのことです、
小児における「予防医療」には乳児健診や学校検尿、予防接種などがあります。健診や検尿は病気の早期発見が目的であり、予防接種は病気を予防する方法です。予防接種の例としてロタウイルスのワクチン接種があります。ロタウイルスは乳幼児に下痢を引き起こし、発展途上国における乳児の主な死因の一つになっています。このウイルスに対するワクチン接種が2011年から日本でも開始され、済生館では、開始前に年間100人以上の乳幼児が入院していましが、昨年は30人以下に激減しました。また、一度発症すると致命率が50%以上という恐ろしい病気に破傷風があります。破傷風菌は土壌中のどこにでもいる細菌で、小さな傷からも感染しますが、4種混合ワクチン(以前は3種混合ワクチン)の普及により今では皆無です。予防接種を受けなければ現在も以前と同様に発症し、致命率は高いのです。
このようにワクチン接種は非常に効果的ですが、病気が無くなるとその重要性を忘れがちです。「予防医療」は縁の下の力持ちみたいなもので華々しい面はありませんが、非常に大事ですので、行政サービスで行うワクチンなどは積極的に受けるようにしましょう。
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