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糖尿病内分泌科長(兼)地域糖尿病センター室長 五十嵐 雅彦
家族性高コレステロール血症(FH)は、悪玉のコレステロール(LDL-C)の受容体の異常により発症する病気です。血液中のLDL-Cが細胞に取り込まれず血管壁に沈着するため動脈硬化が急速に進展し、男性では30歳台より狭心症や心筋梗塞などの心臓病を発症します。FHは500人に1人と決して珍しい病気ではなく、この病気の特徴としては、①生まれた時からLDL-Cの値が高い、②心臓病や高コレステロール血症の家族歴、③食事療法の効果が乏しい、④アキレス腱の肥厚(9 mm以上)、⑤手や眼瞼の黄色腫(疣状の盛り上がり)、⑥瞳の外側に角膜輪という白い輪があることなどが挙げられます。治療はLDL−Cの値や年齢により若干違いがありますが、コレステロールの合成を抑えるスタチンとコレステロールの吸収を抑える薬などを飲んでいただきますが、十分にLDL−Cが低下しない場合には心臓病のリスクを下げることができません。もし、この病気が気になるようでしたら専門の医療機関を受診して検査を受けて下さい。