健康一口アドバイス
健康診断の尿検査
腎臓内科 永澤 亜美
健康診断の尿検査で蛋白(たんぱく)尿や血尿を指摘されたら、早期に治療を開始したほうがよい病気なのか、特別な治療を必要としない尿検査の異常なのかを調べる必要があります。
尿検査で異常を指摘されたからといって必ずしも病気とは限りません。激しい運動の後、発熱の後、ストレスがかかったとき、起立したときなど、一時的に蛋白尿が陽性となることがあります。これを生理的蛋白尿といい、病的な蛋白尿とは区別しています。血尿も同じように、一時的に陽性となることがあり、これらの場合は心配いりません。
再検査でも蛋白尿や血尿が続く場合は、腎臓や尿管、膀胱(ぼうこう)などの病気が疑われます。尿の詳しい検査や血液検査、画像検査(超音波検査やCT検査など)、必要に応じて組織検査などを追加して、診断します。
慢性腎炎など腎臓病の多くは自覚症状がないため、徐々に腎臓が悪くなり、気付いたときには透析治療が必要な尿毒症になっていることがあります。自覚症状がなくても腎臓病のほとんどは尿検査の異常を伴っていますので、腎臓病を早期に発見するのに尿検査は重要です。健康診断の尿検査で蛋白尿や血尿を指摘されたら、ぜひ医療機関を受診してください。
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