健康一口アドバイス
調節障害による眼精疲労
眼科 高田 菜生子
長時間のデスクワーク、帰宅時には遠くの標識がかすんでみえない。眼痛や頭痛、肩こりもひどくて。このような症状の多くは、眼の調節障害が原因です。眼に入った光は、角膜・瞳孔・水晶体(レンズ)を通り適度に屈折され、網膜にちょうど像を結ぶように調節され、良好な視力を得ます。調節の仕事の多くを担っているのが、レンズの厚みの変化です。
レンズは目の中の毛様体筋が収縮・弛緩することで厚みが調整されます。実はレンズの老化は20歳以降からはじまっていて、加齢とともに徐々に硬くかたまり、40歳くらいになると、調節力は若い頃の十分の一以下、手元30cmの調節も困難になります。硬いレンズを動かすために無意識のうちに毛様体筋が過度に緊張しつづけ、眼痛や頭痛の原因になります。調節に限界がきて像がうまく網膜にあわなくなるとかすみやぼやけの原因になります。
自分の生活にあった距離で眼鏡の度数を調整し、調節力を補ってあげることで症状軽減につながります。眼の疲れや頭痛がひどい時はまず視力や調節力の検査をして、必要時眼鏡調整をおすすめします。眼の動きの神経の異常など、ほかの病気が原因の可能性もあるので、お困りの際は眼科でご相談ください。
2016年12月1日
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