健康一口アドバイス
消化器がんの化学療法について
消化器科医長 黒木 実智雄
近年内視鏡検査、各種画像診断の進歩により“消化器がん”は比較的早期の段階で診断されることが多くなってきました。早期の胃がん、大腸がんは開腹することなく,内視鏡で確実に切除できるものも多くなってきました。手術も進行の程度によっては腹腔鏡を用いてより負担を軽減する努力がなされています。手術が不可能であった場合や、術前あるいは術後に追加の治療として行われるのが化学療法です。
化学療法はいわゆる抗がん剤を用いた治療です。化学療法の多くは内服薬や、携帯式のポンプを用いて入院をせずに行えるようになってきています。がんの種類や進行の程度によって,化学療法の内容や治療効果は異なりますが,着実に進歩し手術に匹敵するものもみられるようになってきました。最近では化学療法も含めたがん治療の施設格差が問題となっています。当院も含め主な病院では,定期的に国立がんセンター中央病院など先進病院での研修を通じて,がん治療に力を注いでいます。
化学療法も内視鏡治療、手術とともに進歩してきていますが,やはり大切なのは早期診断です。最近では鼻から挿入する極細の胃カメラなど検査もなるべく楽に受けていただけるようになってきました。早期診断のためにはまず検査を受けていただくことが大切です。
2005年12月09日
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