健康一口アドバイス
皮膚がんについて
皮膚科長 角田 孝彦
アメリカではすべてのガンの中で『皮膚がん』が一番多いようです。 日本人は白人より皮膚のメラニン色素が多く、紫外線の影響を受けにくいため、皮膚がんはそれほど多くありません。私は25年ほど前に,ある大学病院で皮膚がんの15年間の集計をしたことがありますが、その15年間でも皮膚がんが増えていました。その後、オゾン層の減少などの影響もあるためか、30-40年前は少なかった皮膚がんが、このごろは確かに多くなったと感じています。
診断では、ここ数年“デルモスコピー”という10倍程度の拡大鏡が全国の皮膚科に普及し、皮膚がんの診断がかなり正確にできるようになりました。治療では、4年前に“皮膚悪性腫瘍取扱い規約”ができ全国どこの皮膚科でも標準的な治療ができるようになってきています。
皮膚がんは目に見えるので早期発見と治療ができ、一部のガンを除いてはそれほど怖くはありませんが、稀には皮膚がんが大きくなってしまい、 治療が後手に回り、時には残念な結果になることもあります。皮膚がんの診断と治療は進んできていますので、気になったときはまずお近くの皮膚科の先生に診てもらいましょう。
2006年3月16日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/dermatology.php
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