健康一口アドバイス
頭痛の種:「頭痛」
脳神経外科長 齋藤 伸二郎
頭痛には検査をしても異常の見つからない一次性頭痛(機能性頭痛)と脳などの病気を原因とする二次性頭痛(症候性頭痛)があり、前者がいわゆる「頭痛持ちの頭痛」で慢性頭痛とも呼ばれます。ある調査によれば、日本では約800万人もの方がこの慢性頭痛で悩んでいます。
慢性頭痛の代表は、肩こりがひどくなったような「緊張型頭痛」と,痛みのため寝込まずにはいられない「片頭痛」ですが、両者を併発することもあります。また、鎮痛剤の飲み過ぎが原因の「薬物乱用性頭痛」や、特定の食べ物が引き金となる頭痛もあります。
二次性頭痛は重篤な病気が原因のこともあります。原因を見つけ、それに見合った治療が必要になります。一方、慢性頭痛は生命を脅かすことはありませんが、頭痛のために生活の質(クオリティー オブ ライフ)が低下し、うっとうしいもののようです。頭痛のタイプによって対処法や治療法が全く異なることは言うまでもありません。したがって、自分の頭痛がどのタイプかを正しく診断し、それに見合った対処法、治療法を見つけることが頭痛から解放される早道です。また、最近では「片頭痛」の特効薬も使用可能になりました。「どうせ治らない」などと諦めずに、一度は脳神経外科医や神経内科医の診察とアドバイスを受けることをお勧めします。二次性頭痛でないと安心することにもなります。
2006年7月11日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/cranial.php
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