健康一口アドバイス
一過性脳虚血発作 〜脳梗塞の前ぶれ〜 を見逃さない
脳神経外科長 齋藤 伸二郎
脳梗塞にならないためには健全な生活習慣を心掛けることは言うまでもありませんが、脳梗塞の前ぶれを見逃さないことも大切です。
手足に力が入らない、手足がしびれる、ものが二重に見える、眼が見えなくなる、言葉が出ない、ろれつが回らない、めまいがするなどの症状が突然現れて、通常5〜15分程度、遅くとも24時間以内に消えてしまうことがあります。これは「一過性脳虚血発作」と呼ばれ、小さな血栓が脳血管に一時的に詰まりますが、血栓がすぐに溶けることで症状が消えるものです。ここで安心してはいけません。「一過性脳虚血発作」は大きな脳梗塞発作の前ぶれとも考えられており、脳梗塞を起こした患者さんの3〜4割が「一過性脳虚血発作」を経験しているといわれるほど重大な警鐘です。
前ぶれを見逃してしまうと、運動障害や言語障害などの重い後遺症につながる恐れがあります。後遺症を最小限にとどめるためにも早期治療が大切です。ですから、以上のような前ぶれに気づいたら、必ず、そしてすぐに神経内科や脳神経外科のある医療機関を受診することをおすすめします。
2006年8月09日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/cranial.php
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