健康一口アドバイス
子供の下痢症について
小児科長 清水 行敏
子供は大人に比べて下痢になりやすく、特に冬季に下痢症が流行します。原因の多くはウイルスで、「ロタウイルス」や「ノロウイルス」が有名です。すっぱい匂いの白色水様便になります。発熱や嘔吐を伴うこともあります。子供は体の水分量が成人に比べて多く、腎臓の働きも弱いので、下痢で水分が失われたり、水分摂取が不足すると容易に脱水状態になります。昔と比べて重症の脱水は少なくなりましたが、発展途上国ではいまだに脱水で子供の命が失われています。
さて、お子さんが下痢症にかかった時の御家庭での対応をお話します。一番大事なことは脱水を防ぐことです。下痢を止めることではありません。吐き気が収まったら、少しずつ“水分”を与えていきましょう。これは適量の塩分と糖分を含んだ液体で、経口補水塩(ORS)と呼ばれ、薬局などで小児用イオン水として市販されています。野菜スープや薄めの味噌汁・重湯などでも十分代用できます。その後、消化の良い食事に移行していきます。乳児では母乳あるいはミルクをそのまま与えてかまいません。
以上のような方法で水分が取れれば大丈夫ですが、嘔吐が続いたり、元気がなく、顔色が悪い場合には病院での治療が必要になります。
2006年11月08日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/pediatrics.php
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