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副館長(外科) 片桐 茂
前回は早期胃がんの内視鏡治療のお話でしたが、今回は手術と抗がん剤治療のお話です。早期胃がんでも内視鏡治療のできないものや進行がんに対しては、手術による治療が必要です。胃がんの進行度(進み具合)によってそれに応じた手術方法が選択されます。内視鏡では治療できない早期がんに対しては腹腔鏡下胃切除術が行なわれることが多くなってきました。これはおなかに5~12mmのごく小さな穴を数個あけ、お腹の中をテレビ画面に映しながら手術を行い、3~5cmの小さな切開孔から胃を取り出す方法で、術後の痛みが少なく回復が早いという利点があります。進行がんの場合には通常の開腹(十数cmの切開)で、標準的な胃がんの手術を行います。不幸にもがんが進みすぎて手術で治すことが困難な場合や再発した場合には抗がん剤治療を行います。抗がん剤には経口薬と注射薬があり、いろいろな薬が組み合わされて使われています。胃癌と診断されたときには、病気の進行度やそれに応じた標準的な治療法・治療成績、治療の危険性などについて詳しい説明をうけて、十分に納得した上で治療をうけることが大切です。