健康一口アドバイス
胃がん・大腸がんシリーズ④
大腸がんの手術と化学療法
第二診療部長(兼)外科長 守本 和弘
肛門から入れた内視鏡で切り取れない大腸の「がん」は,外科で手術します。「がん」を含む大腸の一部と周囲のリンパ節を切除します。さらに,残っている腸どうしをつないで便が通るようにしますが,「がん」が肛門に近い場合は,人工肛門になることもあります。開腹法の他,最近では腹腔鏡を用い,小さな傷で行われる手術も増えています。
手術が不可能な場合や,切除できない転移がある時には,放射線治療や抗がん剤を用いた化学療法が行われます。化学療法は,再発予防を目的として行われることもあります。がん細胞の分裂を抑制することで「がん」の進行を遅らせ,延命できることを目的としますが,統計学的にもその効果が認められています。飲み薬の抗がん剤は自宅で服用しますが,従来は入院を必要としていた注射薬でも,外来化学療法室での数時間の点滴や,自宅での持続注入が可能となり,通院による治療も多くなっています。抗がん剤は,正常な細胞にも影響するため,副作用が出現することもありますが,副作用をコントロールし,大腸がんの化学療法として認められた標準療法に従って投与されます。将来,新たな治療法や新薬の開発が期待されますが,「がん」の早期発見に勝るものはありません。検診を受けたり,便をよく見ることが大切です。
2007年10月23日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/surgery.php
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