健康一口アドバイス
腰痛について
整形外科長 増田 啓治
腰痛は多くの方が経験する症状ですが,腰痛と一口にいっても色々な原因でおき,その痛み方も様々です。腰痛の多くの原因は背骨にありますが,関節や筋の損傷,加齢による変化などでおきる腰痛は,通常,動いた時に痛みが強くなる運動時痛です。しかし,じっとしていても痛いような自発痛で,どんな姿勢をとっても楽にならないような腰痛の時には,感染などによる炎症や腫瘍,内臓の病気などが原因の時もあります。
また,腰だけが痛い場合と,腰だけでなくお尻や脚などの別のところまで痛くなる場合があります。背骨の中には脊髄神経が通っていますので,腰椎の病気が神経にまで障害が及ぶと,お尻や脚に痛みが出てきます。そうした症状をおこす病気の例としては,腰椎椎間板ヘルニアや脊柱間狭窄症などがあります。注意が必要なのは,脚のしびれや脚の力が抜ける運動麻痺,排尿や排便の障害,会陰部の異常な感覚が起きてくる場合です。腰痛とは関係ないように見えますが,より深刻な状態がおきているサインの時があります。痛みは時間の経過とともに自然に治ることもありますが,しびれなどの症状は放置すると進行してしまい,治療が遅れると症状が残ってしまうことがありますので,なるべく早く診断を受け,速やかに治療を行うことが大切です。
2008年3月12日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/orthopedics.php
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