健康一口アドバイス
脳卒中地域連携パスについて
診療技術部長(兼)脳神経外科長(兼)救急室長 齋藤 伸二郎
脳卒中の治療は患者さんの状態に応じて複数の医療機関で機能分担して行われます。患者さんは急性期病院での2~3週間の治療が終了すると、機能回復訓練を重点的に行う病院に転院して訓練を行った後、自宅に帰り、近くの診療所(かかりつけ医)から再発予防の治療を受けることになります。症状の軽重により急性期病院から直接自宅に帰ったり療養病院に移る場合もあります。また、介護福祉ケアを受ける場合もあります。
患者さんの転院や退院の際、その患者さんの診療に必要な情報(脳卒中の病型や治療内容、機能回復の程度、日常生活活動制限の程度や問題点など)を各機関が過不足なく連絡しあうことが、切れ目のない脳卒中診療を行ううえで大切です。この役割を担うのが脳卒中地域連携パスです。地域連携パスは各機関の医師、機能訓練士、看護師などが共通の認識のもとに作成し、患者さんの状態や経過が正確に把握できるしくみの、いわば共通カルテのようなもので、患者さんとともにこのパスも移動します。
まもなく山形市内の脳卒中診療に携わる医療機関、介護福祉施設などで、山形市医師会が考案した脳卒中地域連携パスが運用開始されます。一人ひとりの患者さんの状態に即した、より無駄のない円滑な脳卒中連携医療が期待されます。
2008年3月31日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/cranial.php
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