健康一口アドバイス
大腿骨近位部骨折と地域連携パスについて
整形外科長 増田 啓治・医長 二瓶 治幸
大腿骨の近位部骨折には骨頭・頚部・頚基部・転子部・転子下の骨折型があります。70歳以上の女性に多くみられ、日本全体では年間9万件の発生があります。平成19年1月1日~12月31日までの当院での症例は123件ありました。
治療法については受傷後、早期にリハビリテーションができるように受傷前の歩行状態、全身状態などを検討して手術の適応がある方には人工骨頭置換術や骨接合術を行います。
術後、車椅子の移乗できるようになると起立・歩行訓練を開始していきます。パスを使用しない術後療法の方の退院までの期間は、個人差がありますが4~6週間くらいです。
平成19年4月から村山地域の病院間において共通のパス(患者さんの診療情報を各病院間で共有し、治療を進めていく際の共通のカルテのようなものです)を医師、看護師、理学療法士などが使用してこれらの骨折の治療を行っています。計画管理病院(手術を行う病院)と連携病院(リハビリテーションを行う病院)で治療を分担して行います。対象となるのは骨折の手術を行い、強い認知症がなくリハビリテーションに意欲のある方となります。術後14日目での転院を目標にしておりますが様々な原因で転院日にずれが生じることがあります。
現在使用開始から1年が経過しております。問題点などを検討して、定期的に各病院間で研究会を開催し、今後の治療が円滑に進んでいくことが期待されます。
2008年4月28日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/orthopedics.php
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