健康一口アドバイス
肺がん③ ~肺がんの外科治療~
外科 医長 大西 啓祐
肺がんの進行度は腫瘍の大きさやリンパ節などの状態によりⅠ~Ⅳの4段階のステージに分類されます。ステージがⅠまたはⅡの比較的早期に発見された場合は手術して病巣を切除するのが最も成績がよいことがわかっています。
肺は通常、右側が3つ、左側が2つの肺葉という単位に分かれています。肺がんの場合は腫瘍の発生した肺葉と関連したリンパ節を切除するが一般的です。しかし腫瘍の部位や大きさによっては片側の肺を全部取らなければならないこともあります。最近は胸腔鏡というカメラを用いて小さな傷で手術することも可能となってきています。
残念ながら、両肺の間(縦隔といいます)のリンパ節や、他の臓器に転移している場合は手術しても良い成績は得られないので他の治療を選択することになります。また、心肺機能が低下していて肺葉切除には耐えられないような場合は腫瘍部分のみの切除を行うこともありますが肺葉切除に比べ再発リスクは高いようです。
肺がんの手術成績は他のがんよりも芳しくありません。それは発見された時点で進行している場合が多いことも要因の一つと考えられます。早期発見のためにも検診はぜひ受けるように心がけましょう。
2008年9月4日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/surgery.php
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