健康一口アドバイス
乳癌① ~検診と診断について~
第二診療部長(兼)外科長 守本 和弘
乳癌は乳汁を分泌する乳腺の細胞から発生する悪性腫瘍(がん)です。癌になる人は増えていますが、日本では毎年約4万人の女性が新たに乳癌になっています。多くの患者さんが自分で乳房の「しこり」を自覚して医療機関を受診している事からも、自己検診は乳癌発見の助けとなります。月に1回は「しこり」、皮膚のくぼみ、ひきつれ、乳頭の陥没や分泌物などに注意して自分で触ってみてください。ただし「しこり」が全て乳癌というわけではないので、過度に心配することはありません。
早期に乳癌を発見する為には、健診センターや医療機関で行われているマンモグラフィ検診(エックス線検査)を受けることが大切です。「しこり」を触れなくてもマンモグラフィで発見される乳癌もあるからです。医療機関ではマンモグラフィ、超音波検査、MRIなどの画像による精密検査が行われますが、さらに細胞の検査(細胞診、針生検)を行い、癌細胞を確認してから乳癌と診断します。乳癌はリンパ節、骨、肺、肝臓などに転移することもあるのでCT、骨シンチグラムなどの検査を行い病気の進行状態を総合的に判断した上で治療方針を決定します。
癌は早期発見が最大の防御となります。40歳以上の方は症状がなくても1~2年ごとのマンモグラフィ検診を是非受けてください。症状のある方は年齢に関係なく医療機関(外科、乳腺外科)をすぐに受診されるようおすすめします。次回は乳癌の治療について説明します。
2008年12月15日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/surgery.php
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