健康一口アドバイス
前立腺がんの症状と診断について
泌尿器科長 鈴木 仁
前立腺は男性特有の器官で生殖機能に関与しています。そのため男性のほとんどは、程度の差はありますが前立腺の病気にかかります。
前立腺の病気は大きく3つに分けられます。20~50歳代に多い前立腺炎、50歳以降に多い前立腺がんと前立腺肥大症です。前立腺がんと前立腺肥大症の症状はほぼ同じで、尿線が細い、尿が出るまで時間がかかる、尿の切れが悪い、尿がちかい、など排尿に関する症状です。進行した前立腺がんの場合は腰痛などの症状が加わります。しかし症状だけでがんと肥大症を区別することはむずかしいので、血液検査で前立腺からのホルモン(PSA)を調べたり、磁気を用いたMRIによる画像診断を行ったりします。PSAが4.0以上(年齢により多少異なります)で、MRIであやしい部位が認められれば、前立腺の組織検査(前立腺生検)を行い、がん細胞があるかどうか調べて診断します。1回の組織検査で診断がつかないこともあります。その場合には、PSAの血液検査を3~6ヶ月ごとにおこない、その変動を検討し、変動が大きい時は再度組織検査を行います。早期の前立腺がんは無症状のことが多く、検診などでPSAの異常を指摘された方がほとんどです。
2009年3月3日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/urology.php
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