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整形外科長 増田 啓治
年をとると骨が弱くなるとよくいわれています。骨は新陳代謝により常に新しく造られたり壊れたりしていますが、このバランスが崩れて壊れることが多くなってしまうと骨の量が減り、骨粗鬆症という状態になります。そうなると骨が脆くなり、骨折をしやすくなります。骨折しない限りはなかなか自覚症状がでませんので、骨折がおきた時にみつかることも多い病気です。骨折がおこりやすいのは腰背中、股関節、手首などの骨で、ちょっとした転倒や打撲でもおこることがあります。背骨の骨折の場合は痛みなどの症状がないときもあり、若い時に比べて身長が4センチ以上低くなっている時や立って背中を壁につけると後頭部が壁につかないくらい背中が丸くなっている時などは、背骨の骨折がすでにおきている可能性もあります。一度、骨折を起こしたかたはさらに重ねて骨折を起こす危険性が高いこともしられており、注意が必要です。骨粗鬆症は診察とX線検査、骨量測定検査などで診断がなされます。予防には適度な運動を習慣つけることとカルシウム、ビタミンDを十分に摂取することが大事です。また、治療に際してはいろいろな薬がありますので、医療機関に相談をしてください。骨粗鬆症は高齢のかただけの病気ではありません。若い頃から骨量を増やすような注意をして予防し、中高年になったら予防とともに早期発見のために検診をうけることも大事です。