健康一口アドバイス
慢性腎臓病について
腎臓内科長 出川 紀行
慢性腎臓病とは、腎臓の働きを示す値であるGFR(糸球体濾過量)が60ml/分/1.73㎡未満か、蛋白尿、血尿が出るといった腎臓の異常が3ヶ月以上続く状態をいいます。
日本の慢性腎臓病患者は約1000万人と推定され、慢性腎臓病が進行し、透析治療を受けている人は約28万人で、国民の400人に1人にあたります。
慢性腎臓病治療の目的は、透析が必要になる末期腎不全への進行を遅らせること、そして、心血管疾患の発症を防ぐことです。
最近の研究で、腎臓の機能低下が、心筋梗塞、心不全や脳卒中などの心血管疾患を引き起こす危険を高めることが分かってきました。
慢性腎臓病の初期には、自覚症状がありません。早期発見には、①尿検査による蛋白尿、血尿の確認②血液検査による血清クレアチニン値から自分のGFRを推算する必要があります。
慢性腎臓病の予防、進行防止には、生活習慣の改善が重要です。肥満の是正や減塩、規則正しい食事を心掛け、腎機能が低下した場合には低蛋白食を摂ります。また、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病がある人は、きちんと治療しておくことが大切です。
そして、日常生活での家庭血圧計による血圧測定(目標130/80以下)が重要で、さらに、市販されている尿試験紙による定期的尿検査もお勧めします。
2009年7月31日
関連ページ:
http://www.saiseikan.jp/outline/section/internal.php
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