健康一口アドバイス
女性特有の病気および母乳育児について(1)
産婦人科長 佐藤 文彦
女性の方は,小学校の中学年過ぎから女性らしい体つきになり,その後に生理が始まります。18才頃までには大体の人に一定の生理周期ができます。この時期が思春期で,腹痛や出血などで心配される事もあります。この後は妊娠しやすい時期で,妊娠・出産・育児は大変なことです。しかし,大体の人は45才頃になると徐々に卵巣から出る女性ホルモンが低下し,50才頃に生理が止まり,閉経になります。この閉経前後の時期が更年期です。
女性ホルモンの低下に加えて,家庭や社会で精神的にストレスがかかりやすい時期で,体も若い頃に比べれば下降線です。このため更年期障害といわれる様々な症状が出てきます。のぼせ・発汗が一番多く,頭痛,めまい,疲労感,気持ちが沈む,いらいらする,胃もたれ,肩こり等が出やすい症状です。これらは更年期障害とは限らず,他の病気のこともあります。他の科で,「うちの病気でない」と言われたら婦人科を訪ねてみてください。
平均寿命が延びた現在,閉経の後に,子育てが落ち着いた自由な時間が得られます。この良い時期の入り口でつまずいてはいられません。女性は人生で何度か大きな体の変化がおこり,心配なことも出ます。是非,かかりつけ産婦人科をつくって気楽になんでもご相談ください。
母乳育児については回を改めて書きます。
2004年8月30日
http://www.saiseikan.jp/outline/section/obstetrics.php
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