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消化器内科 医長 黒木実智雄
肝臓がんのほとんどは、C型やB型肝炎ウイルスによって慢性肝炎から肝硬変を経て肝臓が傷んだ結果、出現してきます。近年、インターフェロン等の薬によって、ウイルスを排除したり、肝硬変、肝臓がんへの進行を遅らせたりする治療が行われています。慢性肝炎や肝硬変と診断されたら、放置せず、定期検査を受けていただくことが大事です。もし肝臓がんが見つかった時には、がんの状態だけでなく肝臓自体の状態も考慮した上で治療法が決まります。外科的切除が最も有効ですが、針を刺してがんを焼く治療(ラジオ波焼灼療法)も切除に匹敵する治療です。他に針を刺してアルコールを注入したり(エタノール局注療法)、がんを栄養している血管から薬を入れてがんを壊す方法(肝動脈塞栓術など)、放射線治療、最近では分子レベルで作用してがんの進行を食い止める新しいタイプの薬も使われ始めています。肝臓がんには様々な治療が存在するので、担当医と相談して、適切な治療を受けられることをお勧めします。