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整形外科長 増田 啓治
いわゆる「ぎっくり腰」などの急性腰痛のときには、無理に動かずにまずは楽な姿勢で安静にします。膝を曲げて横向きに寝たり、仰向けの時には背中と膝の下にクッションをいれたりして腰への負担が軽い姿勢をとります。市販の湿布や鎮痛剤、腰を固定するバンドを使っても良いでしょう。しばらく安静を保っていると2~3日で痛みは徐々に軽くなり、そのまま治ることもあります。痛みが治まってきたら、それに合わせて無理をしない程度に体を動かすようにしていき、日常の生活に戻していきます。用心しすぎて寝てばかりいると、かえって体力が低下して回復が遅れます。その後は再発を予防するために、中腰などの腰に負担をかける動作を避けるとともに、腹筋や背筋を鍛えるようにすると良いでしょう。医療機関を受診された場合には、鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法や装具療法、注射によるブロック療法などの方法で、痛みを緩和させます。しかし、どんな姿勢をとっても痛いとか、熱がある、排尿の障害がある、腰だけでなく脚まで痛いなどの症状があるときは、入院、手術などの積極的な治療が必要な腰椎の疾患や内臓系の疾患が原因の時もありますので、治療法については医療機関でご相談ください。