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内 容: | 医師による市民健康講座、今回は“白内障と緑内障”についてのお話です。 |
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日 時: | 平成16年11月16日(火) 午後3時00分~5時00分 |
会 場: | 鈴川公民館 |
講 師: | 済生館 眼科長 大村 眞 |
レポート: | 目におきる成人病には、老眼や白内障など眼鏡や手術で回復しやすい疾患をはじめ加齢黄斑変性症・緑内障など放置すれば失明してしまうような疾患など数多くあります。代表的な疾患としては白内障と緑内障がありますが,今回は白内障についてお話します。 白内障は、目の中にある水晶体という透明なレンズが徐々に濁ってくるもので、濁りとともにものがかすんで見えるようになります。ほとんどは、加齢による変化ですが、先天的なものや薬、放射線の影響あるいは糖尿病などの疾患で起こることもあります。今のところ治す薬はないので手術をすることになります。その時期は、自分の生活で不便さを自覚した時が良いと思います。手術は器械などの発達によりかなり短時間になり、また入院期間も短くなっています。これは、各病院・診療所によってまちまちなので、詳しくはかかりつけの医師にお聞き下さい。 ただし、糖尿病網膜症や黄斑変性症など他の眼疾患のある場合は視力があまり回復しないこともあります。この点もよく確かめなくてはいけません。 目の中では、房水という液が作られ目の外の血管に流れていきます。この房水によって目の固さが保たれています(この固さを眼圧といいます)。眼圧が急に上がって目が固くなったり、眼圧は高くないのに視神経(目と脳を結ぶ神経)に異常をきたすのが、緑内障です。 緑内障は、大きく分けて「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」があります。これは、房水の流れ出て行く隅角という場所が広いか狭いかによる分け方です。狭いと、緑内障発作といって急に眼圧が上がり、眼痛がひどく見えなくなります。頭痛や吐き気を伴い、放置すると失明します。風邪と間違うと大変です。眼科での緊急疾患のひとつです。ただ、前もってわかることもあり、その場合はレーザーで予防処置をします。こわいのは、開放隅角の方です。痛みもなくじわじわと進むので気づいた時はかなり悪くなってからということもしばしばです。特に最近の調査で、正常眼圧緑内障といって眼圧が高くないのに視野(物の見える範囲)が狭くなっている人が非常に多いことがわかりました。この疾患も早めにみつけて治療をすれば進行を抑えられますが、悪化してからでは治療も大変困難になります。治療法は、点眼薬・レーザー・手術があり、緑内障の進行程度や眼圧などにより最もよい方法を選びます。 白内障も緑内障も、いわゆる成人病なのでほとんど40才以降に発症します。単に、目が疲れるとか老眼だとか判断せず、一度眼科を受診することをお勧めします。 http://www.saiseikan.jp/outline/section/ophthalmology.php |