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済生館は,明治6年に設立された民間病院を母体として,初代山形県令,三島通庸により医学校併設官立病院として整備されました。明治11年には明治初期凝洋風建築の最高傑作といわれる病院本館が完成(現在重要文化財として霞城公園内に移築保存されています)。太政大臣 三条実美により済生館(いのちをすくうやかた・の意)と命名され,オーストリアから招聘したアルブレヒト・フォン・ローレツ博士のもと,当時最先端のドイツ医学に基づく医学教育が行われました。その後,大学制の整備に伴い済生館は医学校としての役割は失いましたが,現在まで一貫して山形市の中心地である七日町にあって,市民の命を守る病院として機能してきました。
現在の医師臨床研修制度が法的に整備された平成16年以前から四半世紀にわたり,済生館では医師臨床研修に力を入れてきました。平成16年に現在の臨床研修制度が確立されると,済生館は臨床研修指定病院として,研修に必要な充分な待遇と指導体制を整え,現在に至っています。
平成22年の臨床研修制度改定にあたっても,済生館は基幹型臨床研修病院として臨床研修マッチング協議会が行うマッチングに参加して研修医の募集を行い,定員10名を充足する研修医が,平成22年度新プログラムのもとで研修を開始しました。
平成22年度からの臨床研修制度改定により国から示された基準は,内科6ヶ月,救急3ヶ月,地域医療1ヶ月以上を必修とし,外科,麻酔科,小児科,産婦人科,精神科から2科以上を選択必修とするというものでした。
これを受けて,済生館では,内科は当館の内科系4科(消化器・呼吸器・循環器・内科)から3科を選んで各2ヶ月研修すること,1ヶ月の救急室研修及び月4回程度の宿日直における救急対応により充分な救急研修を行うこと,地域医療は2年次に研修協力施設である朝日町立病院・白鷹町立病院で1ヶ月行うこと,及び麻酔科研修1ヶ月を必修とし,選択必修科目は外科,小児科,産婦人科,精神科(研修協力病院である二本松会上山病院で行います)から1科を選択するというプログラムを策定しました。
これにより,国が求める初期臨床研修の基準を充足しながら,残りの期間は研修医の希望に沿った自由なローテーションが可能となり,「基礎的研修としてさまざまな診療科を学びたい」,あるいは「将来の志望科を深く研修したい」といった,さまざまな研修医のニーズに合わせたローテーションを組んでおります。
国の認可を受けた当館のプログラムの詳細は,厚生労働省が設置する臨床研修プログラム検索サイトREISでもご覧いただけます。(研修病院番号030068・プログラム番号030068103)
済生館は,現行の臨床研修制度が始まる前から研修医を受け入れていたため,各指導医は研修指導に熟練しており,新制度においても,臨床研修指導医講習会を受講した指導医が指導に当たります。また,各診療科においては原則として同時には2名以内の研修医受入れとなるので,マンツーマン指導体制による密度の高い研修を行うことができます。
また,済生館は山形市街の中心に位置するという立地の特性から,市中病院として多くの患者さんにご利用いただいており,初期臨床研修に必要な,バランスのとれた豊富な症例にあたることができます。特に,救急搬送については,山形市を中心とする村山二次医療圏内の3分の1にあたる年間約19,000件を受け入れています。当直体制は,正直医2名(内科系・外科系各1名),副直医1名(2年目研修医または3年目レジデント)を常に置くこととしており,1年目研修医はそのもとで副々直医として救急研修をおこなうこととなりますので,安心して医師としての基盤となるプライマリ・ケアの習得にあたることができます。
済生館の臨床研修医採用については,例年6月中には募集要項を決定し,本サイトにも掲示しております。採用希望の方は要項に従ってご応募いただき,選考試験を受験いただいた後,医師臨床研修マッチングにより採否が決定されることとなります。
済生館での研修の実際をお知りになりたい方は,随時病院見学を受け入れておりますので,本サイト内の
病院見学申込フォーム から見学をお申し込みください。